1月1日付で関西学生野球の立命大の新監督に、片山正之氏(67)が就任した。
同大学OBで、社会人野球のトヨタ自動車で選手、監督も務めた経験もある。経歴が「立命大-トヨタ自動車」と聞いてすぐにピンと来たのが、ヤクルトで活躍した球界屈指の名捕手、古田敦也氏(58)だった。
片山監督は古田氏が大学を卒業してトヨタ自動車に入団した88年から同チームのコーチに就任した。同じ捕手としてプレーしていたこともあり、プロ入りするまでの2年間をともにした。教え子第1号となった古田氏の社会人時代の印象を片山監督に尋ねたところ、「目立たないキャッチャーでしたね」と思わぬ答えが返ってきた。
もちろん、「いい意味」での「目立たない」だった。「(投球の)ワンバウンドもちゃんと止めますし、盗塁も刺しますし。パスボールとか目立つじゃないですか、そういうのが一切なかった。常に『ピッチャーが主役』というのを古田はやっていましたね。とにかく研究熱心でした」と当時を振り返った。
教え子がスター選手となった姿に片山監督は「想像はできなかった。やっぱり野村(克也)さんのおかげでしょうね」と話した。トヨタ自動車では人事部に所属し、車の生産過程の問題を解決する仕事も行っていたという。片山監督は「トヨタは『何でや?』『何でや?』って文化なので、それと野村さんの(常とう句)『何でや?』が合ったんじゃないですかね」。プロでは頭脳、データを駆使した「野村ID野球」を徹底的にたたき込まれ、球界随一の捕手へと進化を遂げていった。
私も1月1日付でプロ野球担当からアマ野球担当となり、高校、大学、社会人と数々のプロ野球選手を輩出してきた監督、コーチを取材する機会が増える。これまで取材してきた選手の昔話、武勇伝を聞くことができるのも、これからの楽しみの1つとなっていきそうだ。【アマ野球担当 古財稜明】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)




