今月中旬は日本各地で長雨が続いた。梅雨期のようで真夏としては異例だろう。五輪ブレーク明け、後半戦スタートの13日からも各地で雨、雨。だが阪神は影響がなかった。ずっとドーム球場だったからだ。

京セラドーム大阪の広島3連戦に始まり、異例の東京ドームでのDeNA戦、バンテリンドームの中日戦と続いた。そして再び京セラドーム大阪でDeNAと戦って、この日、マツダスタジアムにやってきた。

その試合前、いわゆる“声出し”の様子が阪神球団のインスタグラムに上がっている…と虎番記者が教えてくれた。円陣の真ん中で声を出していたのはルーキー佐藤輝明だ。紹介すればこんな感じだった。

「久々の“外”なんで守備だったり、そこらへん、しっかり。そして熱中症には気をつけて。アメも準備してるんで…」

「外」というのは屋外球場でのゲームということだ。そう、阪神はドームでの12試合から一転、この広島から、残暑の中、屋外での試合が実に20試合も連続するのだ。

広島から戻ると久々の甲子園で31日から中日、巨人と6連戦。1日空けて9月7日からヤクルト3連戦だ。さらに、またマツダスタジアムで2試合。そこから横浜スタジアム、神宮球場と遠征し、また甲子園に戻って同17、18日は対中日、19日は巨人戦という変則3連戦だ。3週間以上、外での戦いが続く。

プロは体力勝負の面もあるのは言うまでもないが、これはきつい。しかもこの時期の20試合は重要だ。優勝を目指して、まさに「熱い9月」にできるか。毎日書いている気もするが、いよいよ正念場だ。

その出だしは苦しい試合になった。またしても西勇輝がピリッとしない。大山悠輔も好機で打てずに苦しそうだ。つい敗因を「エース」「4番」に向けてしまいそうになるが、もちろん2人だけのせいではない。今季の阪神は「全員野球」「一丸野球」がモットー。ベンチを含め、すべての面で力が足りなかったという見方はできる。

「誰も欠けることなく、勝ちにこだわって、そこだけは変わることなくやっていきましょう」。佐藤輝は声出しの最後、こんな締め方をしていた。その通りだろう。幸いにも巨人、ヤクルトも負け、ゲーム差は不変。故障、離脱者を出さないよう注力し、最後まで戦い抜くことが大事だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)