これも9月ということか。なかなか異例のパターンかもしれない。試合後の指揮官・岡田彰布は、結構、怒っていた。サヨナラ決着で3点差を逆転する勝利で今季最多の貯金9…と、いい部分が出たように思える試合で何を怒るのか。
ズバリ、先発・才木浩人が6回に2失点した場面について、だ。先頭打者の秋山翔吾や3点目の適時打を浴びた5番・小園海斗に対し、初球、ストライクゾーンに投げて打たれたことを怒ったのである。
「ちょっとふがいないね。バッテリーミスですよね。3点目はね」。テレビ・インタビューでも岡田はそう言い切った。勝利試合にもかかわらず、虎番キャップの囲み取材にもほとんど応じずに「何十回、言うてんの。今年。なあ。勝つからおかしなるんよ、こんな展開で。同じ繰り返しや」とだけボヤいたのだ。
いわゆる打者への「入り方」の問題である。簡単に初球、ストライクゾーンに投げるな-。岡田はこの部分に強くこだわるので、こういう話になる。そうは言っても必ずボール球から入れば投手は苦しくなる場合もあるし、才木、そして梅野隆太郎のバッテリーにしても言い分はあるかもしれない。それでも、岡田はそれが危ないと思うし、好きではないのだ。
試合展開もその不満に輪をかけたのか。今季阪神戦だけに登板し、ここまで1勝1敗という広島先発・森翔平を相手に3、4、5回と先頭打者を出す。それぞれランエンドヒットなどを仕掛けるのだが、うまくいかない。4回などは主砲・大山悠輔の“三振ゲッツー”まで。
そして4回に犠飛で先制された後の6回だった。暑いデーゲームで顔を真っ赤にして投げていた才木がここで2失点。その失点の内容を指摘したのである。自他ともに認める野球好きの岡田らしいが、興味深い場面ではあった。
指揮官の理想からすればまだ遠いのだろうが、ハッキリしているのは阪神に流れが来ているということだ。岡田も「きょうは勝たしてもらったような展開」と話したように広島側のミスが目立った2連戦だった。
2位をキープした阪神は15日から甲子園で続くヤクルト2連戦で連覇へ望みをつないでいく。歓喜の胴上げからちょうど1年の試合が劇的サヨナラ勝利だったのは、岡田がどう言っても悪くはない。そう思うのである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツコム/野球コラム(虎だ虎だ虎になれ!))




