阪神が「連覇」を果たすには意味ある巡り合わせではないか。そう思っている。17日は阪神・淡路大震災から31年。あの95年、オリックス・ブルーウェーブが「がんばろう神戸」の合言葉の下、見事にパ・リーグを制覇したのは野球ファンなら誰もが知る話だろう。
胴上げは西武球場(当時)。その直前にはチャンスがあったのに本拠地で優勝を決められなかった。そのときイチローは「神戸で決められず、みなさんに申し訳ない」と涙を流した。
だからこそ翌96年、リーグ連覇を決める日本ハム戦でのサヨナラ安打をグリーンスタジアム神戸(当時)で放ったとき、イチローは高くジャンプし、右腕を空に突き上げ、派手に喜びを示した。彼が見せた史上最大のガッツポーズだろう。
翻って阪神だ。オリックス同様に被災した95年は最下位に終わった。当時、イチローと同じ91年のドラフト4位、プロ4年目でタテジマの主力になりつつあった桧山進次郎(日刊スポーツ評論家)はのちに「同じ関西のオリックスが頑張ってるのに…という思いはあった。明暗が分かれた」と歯がゆさを示している。翌96年も阪神は最下位。いわゆる「暗黒時代」真っただ中だった。
オリックスは近鉄バファローズと合併し、大阪を本拠とするオリックス・バファローズとなったのちも21年からリーグ3連覇を成し遂げている。その面で阪神は大きく後れを取っていると言わざるを得ない。
だからこその今季だと思う。「90年間、2リーグ後、1度もできなかった連覇に挑みます。オール阪神タイガースで臨むと心に期しています」。指揮官・藤川球児が昨年に大阪市内で行われたリーグ優勝祝賀会でそう話したが、常に「連覇」は意識している。
過去にもチャンスはあったはず。指揮官が星野仙一から岡田彰布に代わっていた05年のV。「06年もいける…」と思ったが惜しくも2位に。さらについ最近、23年に再び岡田で勝ち、24年は大きく期待されていたが、ここもやはり2位に終わっている。
今年、多くの関係者の見立ては「阪神有利」だ。この日、侍ジャパンに阪神から過去最多の4人が選出された。まさに黄金期の気配。今こそ、震災から復興した神戸、阪神地区に負けない姿を見せる時期だと思う。もちろん何があるか分からないのもこの世界だ。だからこそ目が離せない。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




