「みちのく左腕コンビ」が、今大会無失点を継続した。日本がキューバに圧勝。秋田商・成田翔と花巻東・高橋樹也(ともに3年)が、5投手での完封リレーに加わった。

 まずは成田だ。5回から3番手でマウンドへ。「ボールが低めに集まって、真っすぐもいっていたので感触が良かった」と3者凡退に抑えた。直球の最速は142キロ。得意のスライダーで空振り三振も奪った。今大会5イニング無失点に「指先にうまくかかっている」と手応えを口にした。

 高橋樹も負けてはいられない。成田の後を受けて6回から登板。2イニングで2安打を浴びたが、要所を締めた。「甲子園で投げられるのは一番いいこと」と思い切り腕を振った。

 ライバル同士が力を合わせ、世界一に王手をかけた。東北では仙台育英・佐藤世那(3年)も含め、覇権を争ってきたが「同じチームになって、3人でピッチングの話をしている」と高橋樹は言う。成田は「決勝だから、というのではなく、登板したら1回1回を大切に投げたい」。切磋琢磨(せっさたくま)してきた東北のエースたちが、頂上決戦でもフル回転する。