札幌、小樽、空知、旭川、釧根、北見の6地区で代表決定戦が行われ、新たに17代表が決まった。空知ではクラークが、夏は初の北大会出場を決めた。今日4日には、札幌、室蘭、名寄の3地区で代表決定戦が行われる。

 創部3年目のクラークが北大会初出場を決めた。打っては11安打10得点、投げては3投手が3安打1失点リレーで、深川西を6回コールドで下した。14年3月に閉校した駒大岩見沢を夏4度、春8度の甲子園出場に導いた佐々木啓司監督(60)は「まずは北大会初戦を勝ち、伝統と自信をつけたい」と、3度目の挑戦で手にした悲願の舞台へ思いをはせた。

 2年前の春、出身も入学の理由も違う9人で始まったチームが、3回につながった。2-0の1死満塁から金原瑶中堅手(2年)が走者一掃の右越え3点適時三塁打を放つなど、4安打で6点を追加した。3回までの9人を完全に抑えた横手投げ右腕の平沢津虎揮(3年)は「勉強は苦手だけど、野球だけは負けたくなくて愛知から出てきた。この学校を選んでよかった」と笑った。主将の阿部勇斗左翼手(3年)は「遊びも、野球もいつも一緒だったメンバーと、甲子園に行きたい」と目標を見据える。

 岸誠也捕手(3年)は、駒大岩見沢で佐々木監督に指導を受けた兄琢也さん(20)が果たせなかった思いを胸に、最後の夏に臨んでいる。「監督を甲子園のベンチに戻さないといけない」。デコボコのグラウンドで始まった歴史を、冒険家の三浦雄一郎校長(83)がもっとも似合う“アルプス”スタンドのある球場へと伸ばす。【中島洋尚】