札幌、小樽、空知、旭川、釧根、北見の6地区で代表決定戦が行われ、新たに17代表が決まった。今日4日には、札幌、室蘭、名寄の3地区で代表決定戦が行われる。

 最後の打者も自信の直球で仕留めた。10-0で迎えた7回裏2死。滝川西の右腕エース小野寺蒼吏(3年)が投げ込んだ82球目を、芦別の打者は一飛にするのがやっとだった。7回を完全投球。前日の滝川工戦では7回を投げ2四球しか許さず、無安打無得点を14イニングに伸ばした。チームを3年ぶりの北大会に導き、「今日は昨日より直球が走っていた。押し込めた」と、うれしそうに振り返った。

 小学生の頃、カラスを自転車で追いかけて田んぼに転落。傷だらけのまま運動会に出るなど「手がつけられないほどやんちゃだった」と母三佳子さん(48)は話す。そんな小野寺が昨秋の全道大会1回戦で、北海道栄にコールド負けし、悔しさを知った。

 冬場から50メートルを6秒9以内で20本走るメニューを自分に課し、下半身をいじめ抜いた。簿記1級は2月に取得し、今夏までの練習時間を確保。小野寺大樹監督(40)は「勉強でも成果を出し、精神が落ち着いた」と評価する。結果で成長をアピールした。「甲子園には行きたい。でもまずは1試合ずつ」。変身したエースが、北大会も躍動する。