柏崎が新津に5-4のサヨナラ勝ちを決めた。4-4で迎えた9回2死一、二塁で横田太靖(たいせい=3年)が一塁強襲のサヨナラ内野安打。3-0のリードを、7回に3-4に逆転される展開も最後は今春、先発から外されていた背番号3が意地の一撃を見せた。

 初球だった。横田は狙っていた。「ここは勢いに乗って、初球しかない。甘いボールがきたら絶対、打つ」。4-4で迎えた9回。2死から安打と失策で一、二塁になった。畳み掛ける積極的な姿勢が、サヨナラ内野安打を生んだ。強烈なゴロは一塁手・後藤勇道(3年)が差し出したグラブをはじいた。二塁走者の小出洋(3年)が本塁に頭から突っ込むと、一塁側ベンチから小躍りしながら柏崎ナインが飛び出してきた。

 練習の成果を大事な場面で、横田は見せた。13日に行われた初戦の2回戦・十日町総合戦(13日=9-0の7回コールド)は3打数ノーヒット。「お前はまだ、素振りが足りない」と同僚に言われ、3回戦に向けた練習後の自主トレはバットスイングに費やした。「練習後に40分間素振りしてきた」。そんな取り組みが功を奏して3回戦の新津戦は4打数3安打2打点。最後は貴重なサヨナラを生んだ。「高めの直球をたたいて、強い打球を打てた」。

 柏崎は今春、初戦の2回戦で長岡工に4-5で敗退。背番号3を背負っていた横田は先発から外れ、プレー機会はなかった。「春は悔しい思いをした。この夏が最後だから、気持ちが入った」。もちろん、準備はした。前に突っ込む打撃のクセも修正。バットの立て方、ひざの角度など、フォームを細かく改良した。「次も少ないチャンスを生かして、接戦に勝ちたい」。もちろん横田は、好機に打つ構えだった。【涌井幹雄】