ノーシードの米沢中央が東海大山形を撃破し、4強入りを決めた。

 秘密兵器がベールを脱いだ。先発したのは背番「11」の武藤正太(3年)。サイドスローを軸に、村田兆治氏のマサカリ投法と野茂英雄氏のトルネード投法を合体させたような変則左腕。今夏はこの日が初登板で「立ち上がりは緊張した」と言うものの、強力打線相手に8回まで散発4安打の無失点と快投した。「タイミングは合わせづらいはずです。緩急と3種類の変化球で打ち取らせるピッチングができたので手応えを感じられた」と笑顔で話した。

 新チームになった昨秋に上手投げから横手投げへ転向。ソフトバンク森福をイメージしたサイドスローから始まり「もっと打ちづらい投げ方を研究していった結果」、野茂英雄氏の投げ方を加えて現在の形が完成したという。現在も出身地の福島・喜多方市から米沢へバス通い。「通学バスの間に動画を見てフォームを勉強したりしています」と研究に余念がない。

 「日本で誰も投げられない投げ方をしたくて」。唯一無二の“ムトルネード”投法で甲子園まで駆け上がるつもりだ。