公立のシード校、千厩(せんまや)の2年生怪物右腕・千葉英太が、13奪三振の力投も実らず散った。

 4回に三本間に飛び出した走者を刺そうとしたが、三塁に悪送球して先制点を献上。9回にはボークで致命的な1点を許した。「最終的に、自分のミスが決勝点になって申し訳ない」と、涙が止まらなかった。

 初戦の2回戦から、投球回数35回2/3で60個の三振を奪い、4試合連続の2桁奪三振。岩手の夏の1大会奪三振記録は、64年に花巻商(現花巻東)の阿部成行が5試合を投げてマークした66個。千葉が準決勝に進出していれば、大会記録を52年ぶりに更新する可能性が高かった。

 タイムリーを打たれたのは1本だけ。失策とボークで2失点と、千厩初の4強入りはミスで消えた。「来年は1点あれば勝てるピッチャーになりたい」。最速142キロの右腕は、さらなる進化へのステップとする。