巻は長岡工を4-1で下し、3年ぶりの4強入りを決めた。0-0で迎えた2回1死一、三塁の場面で小林佑(3年)が左越え2点適時三塁打。9回1死三塁でも左翼への犠飛を放ち、3打点を稼いだ。準決勝、決勝は23、24日に同球場で開かれる。

 自らのミスを、小林は豪快な三塁打で帳消しにした。0-0で迎えた2回1死一、三塁だ。1ストライクからスクイズを仕掛けたが、外角のボールに飛びつきファウルにするのが精いっぱいだった。先制機を1度つぶし、カウントも0-2に追い込まれた。

 しかし、小林の心はしぼんでいなかった。「スクイズを失敗した球は難しいボール。バットに当てられたから、よかった。ここは切り替えて、思い切りいく」。その思いをバットに乗せて、左越え2点三塁打を放った。

 小林は“思い切り”を心掛けた。「空振りを怖がってバットを当てるだけになっていた」と4回戦までは打撃不振に悩んでいたが、20日の打撃練習で吹っ切れた。清水一弥監督(50)からもらった「思い切りいきなさい」とのアドバイスがきっかけだった。

 3-1で迎えた9回1死三塁の場面は左翼への犠飛で3打点目。「球を冷静に見ることができた」と、思い切りの良さに、落ち着きも加えた。巻が4強入りを決めた13年の準々決勝(対新発田中央、5-2)を、潟東中3年時にスタンド観戦。「伸び伸びプレーしていた」と、観客席から見ていた先輩たちに小林のバットで並んだ。【涌井幹雄】