東邦のエース藤嶋健人投手(3年)が流れを変える投球で、サヨナラ勝利に導いた。

 25日の練習中に打撃投手の投球を左手首に当て大事を取ってベンチスタートだった藤嶋が、1-2の7回無死二塁から2番手で登板。犠打や死球などで2死一、三塁としたが、最後は直球で見逃し三振を奪いピンチを切り抜けた。3回を無安打4三振無死点。試合序盤から享栄ムードだった球場の空気を、右腕がガラリと変えた。

 1点差で迎えた9回1死から4連打で同点に追いついた。なおも1死満塁。2番鈴木光稀外野手(3年)が右翼への犠飛を放ち、試合を決めた。鈴木光は「ずっと調子は良かった。監督から『お前で決めてこい』と言われていたし、ミート重視でコンパクトにいった。1人で素振りをしている時もサヨナラの場面を想定してやってきた。その通りちゃんとできて良かった」と笑顔で振り返った。

 藤嶋は「負ける気はしなかった。俺に任せろ、流れを変えてやると思っていった。この勝ちは大きい。甲子園に行くために必要。いい勝ち方ができた」と、1年夏以来の甲子園まであと2つに迫った。