全国高校野球選手権(8月7日開幕=甲子園球場)に2年連続10度目の出場をする中越ナインは27日、新潟県庁の泉田裕彦知事(53)を表敬訪問した。新潟大会を戦ったメンバー、本田仁哉監督(39)らが優勝を報告し、激励を受けた。すでに26日に甲子園メンバー18人も選手たちに告げ、チームは本番へまっしぐらだ。

 日焼けした顔がずらり並んだ。白のワイシャツにネクタイの制服に身を包む選手たちの首には、金メダルがぶら下がっている。緊張の面持ちで泉田知事と対面した中越ナインは、激励の言葉に耳を傾けた。「個人の力ではなく、チーム全体で勝ち取った成果。ひとつ、ひとつ結果を積み上げて、きょうにつながった。自信を持って甲子園でも戦ってほしい」。

 本田監督は「思いをひとつ決めたら、徹底して束になって戦う」とチームの特徴を説明した。そんなチームカラーを象徴するシーンが、選手紹介のときに起きた。柳沢陽部長(36)が名前を呼び掛けた選手は、返事をして円卓から立ち上がって一礼。そのとき、全員がメダルを抑えながら起立した。

 面談が始まる前に、県庁側から「机の角にメダルが当たらないように」と指導を受けていた動作。その指示は守られ、メダルを机に当てるナインは1人もいなかった。優勝した高校野球に通じる徹底した意思統一。「ひとつを聞いてやり切る。特徴が出ていた」と本田監督は言った。

 昨秋と今春は16強止まり。広川健介主将(3年)は「悔しい。その一心で練習してきた」という。昨年の甲子園出場チームは力通りの安定した戦いぶりで優勝した。現チームは「どうすれば強くなれるのか、どうすれば勝てるのかと練習してきた」と同主将は言う。もがいてきた分だけ、今年のチームは心が強い。

 甲子園出場メンバー18人は26日に済ませた。野球部員を学校の一室に集め、本田監督が番号、名前の順に読み上げた。登録選手が確定し、いよいよ大会本番に照準。広川主将は「甲子園でも自分たちのプレーを変えず、目の前の1球、ワンプレーに全力で取り組みたい」と言った。