仙台(宮城)は仙台城南に9-2で7回コールド勝ち。プロ注目左腕、佐藤隼輔(3年)は今大会4戦目で初失点したが、貫禄の投球でチームを8強に導いた。

 佐藤隼が4試合連続完投でエースの意地を示した。5回に暴投が絡んで2点を許し、この試合の与四球は4と反省材料を残したが「2失点でも勝てたのが大きい」と言った。8番に入った打撃では、タイムリー2本を含む3安打4打点。バットで自らを助け、仙台に9年ぶりの8強入りを呼び込んだ。

 プロ注目左腕にスタンドでは7球団が見守った。巨人スカウトのスピードガンは143キロを計測し、自己最速にあと1キロと迫った。奪った三振は8つ。ただ仙台城南が速球狙いであることを察知。スライダー、チェンジアップの変化球を多投した。1回戦からの連続無失点が29イニングで途切れても「ゼロでいきたかったけど、取られたら仕方ないので」と、6回以降は気持ちを切り替えた。

 既に4試合32イニングを投げ抜いた。それでも「コールドで終われたのは大きい」と、この日の球数は107とそれほど多くない。今日27日には仙台三との準々決勝を控え、今夏初めての連戦になる。「この後も勝って甲子園に行かないと意味がない」。仙台の98年以来19年ぶりの宮城大会制覇へ、左腕を振り続ける。【久野朗】