2000年度生まれの「ミレニアム世代」にまた1人、新星が誕生した。花咲徳栄(埼玉)の2年生4番・野村佑希内野手が待望の甲子園初アーチを放った。7回、左翼席へ高校通算27号となるソロ本塁打を打ち込むなど初戦に続く3安打。父の仕事の関係で米国で生まれた大型スラッガーの活躍でチームは3年連続の16強入りを決めた。

 野村は1発を狙っていた。5-0で迎えた7回2死走者なし。初球直球を見逃した後の2球目。甘く入ったスライダーを捉えると高く舞い上がった打球は左翼席最前列のスタンドで弾んだ。

 野村 バットの先っぽだったけどいい感じで振れました。今大会はホームランが多いし、みんなから「1本出して」と言われていたので、あの場面は狙っていました。

 7月初旬の練習試合以来、約1カ月ぶりとなる通算27号は今大会40号となった。ベンチに戻ると「どっちが先に本塁打を打つか」と話していたドラフト候補の西川が笑いながら悔しがっていた。初戦の開星戦は4打数3安打1打点。この日は本塁打を含む5打数3安打1打点。計9打数6安打2打点は4番として十分な働きだ。

 自動車関連の会社で働く父真也さん(47)の仕事の関係で米国ミシガン州デトロイト近郊のハウエルという街で生まれた。4500グラムというまさにアメリカンサイズで誕生。「ジェームス」というミドルネーム、さらに米国籍も持つ。身長172センチの母洋子さん(45)は中学時代、ソフトボール部の4番。同じ4番を打つ長男の甲子園初アーチに「頭の中が真っ白になりました。感無量です」とアルプス席で涙を流した。