2人の名将を師と仰ぐ済美の中矢太監督(44)が積極的な采配で試合を動かした。1点リードの7回表無死一塁。2番中井雄也(3年)にバスターエンドランを指示。中井はセンター右に運び、一塁走者は一気に本塁生還。貴重な追加点で、さらに試合を優位に進めた。「バスターのうまい選手。いい所に飛んだ。ゲームが膠着(こうちゃく)していたので、動かしていきたいと思った」と振り返った。

 明徳義塾出身で馬淵史郎監督(62)の教えを受けた。専修大卒業後の03年から済美のコーチに就任。選抜で2度の優勝を誇る上甲正典監督(享年67歳)のもとで学んだ。「馬淵監督は戦略、戦術にたけた方。野球の奥深さを知りました。上甲監督には選手を育てるという面で影響を受けた。四国を代表する監督から指導を受けたのは、財産です」。16年に済美の監督に就任。指揮官として初めての甲子園出場となった昨夏は2勝を挙げ、3回戦に進んだ。今夏は星稜との死闘を制するなど3勝を記録。準優勝を飾った04年以来の準々決勝にチームを導いた。