第91回センバツ高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の出場校選考委員会が25日に大阪市内で行われ、国士舘(東京)が、10年ぶり9度目の出場を決めた。

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国士舘(東京)には、10年ぶりのセンバツを前に、ケガ克服の試練が課せられた。グラウンドで喜びを爆発させる選手を横目に、永田昌弘監督(61)がこう話した。「甲子園までにはなんとか間に合わせたい、と思って今、やっているんです」。

4番を打つ黒沢孟朗一塁手(1年)が今月12日の柔道寒げいこで左足首を痛めた。診断は「脱臼骨折と靱帯(じんたい)損傷で全治3カ月」。この日その姿はなく、横浜市内の病院に入院し、早くもリハビリを始めている。昨秋、背番号1をつけた山崎晟弥投手(2年)も「あいつに戻ってもらわないと困ります」と復帰を願う。

実は山崎も同じ寒げいこで右手薬指を骨折した。回復が早く、来週にはギプスがとれる予定だ。「(薬指は)負担のかからない指で、僕は間に合います。自分のできることを尽くして、無失点で抑えたい」と抱負を語った。4番とエースが年明け早々に負ったケガ。残り2カ月で克服したとき、国士舘の縦じまユニホームが晴れ舞台で弾む。

沖縄で練習試合を行い、本番に臨む予定だ。「すばらしい選手がいるわけじゃない。でもまだ強くなれるチーム。欲を出さず、とにかく1勝。そこがスタートです」。永田監督は淡々と話していた。【米谷輝昭】