1回戦で最も注目されたのは初日の第3試合に先発した星稜の奥川恭伸の投球。直球は最速151キロを計測し、スライダー、フォークボール、チェンジアップもキレまくり、強豪、履正社を3安打完封に抑え込んだ。

春の時点でこれほど完成度の高い投手は珍しいと思う。広陵の河野佳も緩急を交えた技巧が際立った。最速150キロの直球を1回に見せたあと多彩な変化球主体の投球に切り替え、優勝候補の一角、八戸学院光星を3安打完封した。2人以外では明石商の2年、中森俊介、石岡一の岩本大地もよかった。

打者は好捕手が多かった。智弁和歌山の東妻純平は熊本西戦で二盗を阻止したときの二塁送球タイムが1・89秒という超高校級の速さで、打撃でも3ランを放つなど活躍。東妻と並ぶのが奥川を好リードした山瀬慎之助(星稜)だ。イニング間の二塁送球タイムの最速は1・87秒で、打撃では履正社の好左腕、清水大成から3安打を放ち、チームに勝利を呼び込んだ。2本のホームランをバックスクリーン横に放り込んだ野村健太(山梨学院)、外野からのレーザービームで注目を集めた井上広大(履正社)も印象に残る。(ベースボールライター)