【第3試合(13:30)筑陽学園(福岡)-東邦(愛知)】

センバツ初出場の筑陽学園が、県勢としては11年に準優勝した九州国際大付以来の4強入りを狙う。1回戦は背番号1の西雄大投手(3年)が完投勝利。2回戦は先発の西から、左腕の菅井一輝投手(3年)、プロ注目右腕の西舘昂汰投手(3年)のリレーで1点差を逃げきった。3人の強力投手陣を武器に昨年秋の九州王者に上り詰めた実力を甲子園でも証明した。

西舘は本来、最速145キロの速球が武器。腰痛に加えて体調不良による調整不足もあり、完全復活とまではいかないが、プロ注目の進藤勇也捕手(3年)の好リードで、2回戦の山梨学院打線を振り切った。その自信を胸に準々決勝に挑む。

打線は個々がつながりを重視した打撃で得点を積み重ねた。どこからでも得点する能力があり、中軸も犠打で走者を進める。92年夏甲子園で西日本短大付のコーチとして優勝を経験している江口祐司監督(56)の采配にも注目。センバツ初出場で春夏通じて甲子園初勝利からの快進撃で「筑陽旋風」を巻き起こす。

◆筑陽学園の主なOB 広島長野久義、阪神谷川昌希、元サッカー日本代表久保竜彦

 

東邦は富岡西(徳島)との1回戦で見られた硬さが消え、2回戦は広陵(広島)との強豪対決をワンサイドで勝ち抜いた。広陵の150キロ右腕河野を3回途中に引きずり降ろし、高校通算43号を放った3番でエースの石川昴弥主将(3年)を筆頭に16安打と打線が爆発。7盗塁と機動力を絡めて12得点をマークした。

石川は投げても大黒柱ぶりを発揮した。直球は最速142キロも、球速を意識せずに配球、制球重視で6回を4安打無失点。力みなく試合を作り、大量リードもあって球数101と余力も残して降板できた。

昨秋の公式戦はチーム打率3割8分6厘、1試合平均得点9・47点、同平均盗塁数4・06個が出場32校中トップ。攻守とも上り調子で、額面通りのチーム力を実証している。平成のセンバツで最初と最後の優勝を狙う態勢が整ってきた。

◆東邦の主なOB 元巨人山倉和博、中日藤嶋健人、俳優奥田瑛二