センバツ初出場の大分が初回の悪夢でリズムに乗れず、力の差を見せつけられて8強を前に敗退した。

プレーボールのサイレンからわずか4球目。1回表の守備で、高々と舞い上がったマウンド後方付近のフライに、主将の足立駿(すぐる)二塁手(3年)と、飯塚和茂三塁手(3年)が、激しく交錯。打者走者の二進も許すと、犠打とスクイズでいきなり1点を失った。交錯した際に右膝裏を痛めた足立主将は試合後「自分のミスで悪い流れをつくってしまったのが敗因です」と下を向いた。

足立はテーピングしてプレーを続行。「痛みはあったが、自分がなんとかしたいという一心だった。見に来ている人たちの支えがなかったら自分はここに立っていなかったので」と痛みを必死にこらえた。1回先頭打者で右前打で出塁。足をひきずりながらもその後、三塁へ進んだ後、暴投で本塁へ突入したがアウト。「いけると思ったんですが」。痛みを押して走ったが思うように足が動かなかった。2打席目、3打席目と連続安打。チームは大敗した中、3安打1四球と全打席出塁した。主将として右膝の痛みを押してプレーしたが思いは届かなかった。

松尾篤監督(45)は、まさかの大敗に試合後のインタビューで涙を浮かべていた。「悔しいです。選手はもっと力が出せた。それを出させることができなかった自分の責任です」。アクシデントに泣いた足立主将も「夏は絶対に帰ってきたい」と雪辱を誓った。【浦田由紀夫】