【第1試合(8:30)市和歌山(和歌山)-習志野(千葉)】

開幕戦白星から勢いに乗る市和歌山は、準優勝した65年(当時は市和歌山商)以来54年ぶりのセンバツベスト4を狙う。

2年生エースのサウスポー岩本真之介は、延長11回の初戦を2安打2失点完投。2回戦は6回途中からリリーフし、3安打無失点と好投を続ける。直球は130キロ前後ながら、腕の出所が見にくい柔らかなフォームからキレのある球を投げ込む。変化球はスライダーとカーブを軸に、緩急をつけながらテンポよく打ち取る。大会NO・1投手の星稜・奥川を打ち崩した習志野打線をどう料理するか。2回戦で先発し、6回途中2失点とまとめた右腕柏山崇(3年)も控える。

打線は初戦でも打点をあげた3番緒方隆之介内野手(3年)が2回戦で豪快な1発。主将で7打数3安打の5番米田航輝捕手(3年)や9打数5安打の6番山田佳吾外野手(3年)ら中軸にも当たりが出ている。初出場の2回戦で3打数2安打3打点と活躍を見せた2年生の壱岐有翔外野手もラッキーボーイとなるか。 同県で同じくベスト8に残る智弁和歌山には、昨春から3期連続で敗戦。チームでは「智弁(和歌山)と決勝で」を掲げ、聖地での宿敵撃破へ突き進む。

◆市和歌山の主なOB ヤクルト川端慎吾、ロッテ益田直也、元阪神藤田平

 

習志野は2回戦で大会NO・1右腕、星稜・奥川投手を打ち崩し、初の準々決勝進出を決めた。少ないチャンスをしっかり得点につなげる手堅い習志野野球を徹底。エース飯塚脩人投手(3年)は2回途中からの7回2/3のロングリリーフだったが、初戦の制球難を修正し、持ち前の強気な投球で打たせて取る投球で得点を許さなかった。奥川とのエース対決を制し、波に乗ったか。打線も、秋季大会のチーム打率2割9分8厘、本塁打1から1日800スイングで打撃向上に力を入れてきたこの冬の成果を存分に発揮。甲子園で昨秋とは生まれ変わった姿を見せている。

チームは星稜戦でサイン盗み疑惑の渦中にあるが、小林徹監督(56)はミーティングで「きみたちはしっかり準備をして、出した結果なんだから自信をもっていい」と選手をたたえ、激励した。初のベスト4入りへ、新しい歴史をつくるためにチーム一丸となって戦う。

◆習志野の主なOB 元中日谷沢健一、元阪神掛布雅之、ヤクルト小川淳司監督、ロッテ福浦和也