専大松戸は東海大菅生に破れ決勝進出を逃したが、夏への手応えをつかんだ。

チームで一番の成長を見せたのは、背番号10の先発、杉田智也投手(3年)だった。変化球を中心に緩急をつけた投球で8回を投げ6安打2三振3失点。好投につながったのは『気持ち』だった。

「去年は自分と勝負していた。今年はピンチにも次の打者を抑えれば大丈夫、と余裕を持って投げることができた」。気持ちの余裕は投球に現れた。これまでは三振を狙いにいった場面でも、後ろで守るチームメートを信じ、打たせて取る投球に。大量失点を防ぎ、試合を作った。「最小失点に抑えるのが自分の仕事。今大会はそれができたと思います」と胸を張った。

チームは、これで春からの練習試合を含め2敗目。春季千葉県大会決勝で習志野に敗戦して以来の黒星となった。しかし、持丸修一監督(71)は敗戦よりも収穫の大きさを口にした。

エースの横山陸人投手(3年)を温存しながらの善戦に「杉田はよく3点に抑えてくれた。彼の成長が大きな収穫。2人目の投手ができたね」と笑顔で話した。さらに夏に向け、強くなるための課題を得た。「東海大菅生の中村晃太郎投手(3年)は、いいツーシームがあり狙い球を絞りにくい。本当にいい投手だった。こういう上手な投手と対戦して負けたのは収穫。これをどう攻略するのか、夏までにいい課題ができましたね」と意気込んだ。

敗戦を糧に、夏、千葉県の頂点を目指して専大松戸は再び走りだす。