23日に行われた春季高校野球関東大会決勝では、「Tokai対決」が話題になった。同じ縦縞のユニホームを着た東海大相模(神奈川)と東海大菅生(東京)の対戦は、東海大相模が7-3で勝利した。

25日から6月2日まで行われる近畿大会でも、高校野球ファン注目の対戦がある。25日の初戦で智弁和歌山と智弁学園(奈良)の「智弁対決」が実現する。兄弟校だけに「智辯」と胸に描かれ、朱色が映えるユニホームはそっくりだ。

両校が甲子園で対戦したことがある。02年夏の甲子園3回戦。当時は智弁和歌山が智弁学園に7-3で勝利した。

あまりにも似たユニホームの対戦に、審判団が混乱しないよう、私案ながら「デザインの違う帽子を用意する」という話も出たという。実際には両校とも普段通りに臨み、目立った混乱もなかった。

当時、智弁学園を率いていたのは林守さん。林さんは前年の01年3月まで智弁和歌山で部長を務めていた。聖地で対決したときの話を聞く機会があり、林さんは「智弁和歌山の選手たちは自分を見て、笑顔を見せていたんですよ。見慣れた顔があって安心感みたいなものもあったのかもしれませんね。智弁学園の選手は力みというか、緊張感があったように思います」と振り返っていた。

智弁和歌山はここまで甲子園に春夏通算で36回出場し、優勝3回を誇る。智弁学園は春夏通算で出場30回、16年センバツで初優勝を果たした。ともに甲子園常連校だ。聖地での再戦ではないが、「智弁」のプライドをかけた戦いともいえる。この春はどちらに軍配が上がるか。【磯綾乃】