第101回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の東北各県大会が9日の青森大会から始まる。
今年も注目校を「白球にかける夏'19」と題して紹介。第1回は10日に開幕する秋田編です。秋田修英のエース左腕・西岡海斗(3年)がリベンジに燃えている。昨秋の県大会で初優勝も、東北大会は準々決勝で敗退し、あと1歩のところで甲子園を逃した。4月には大船渡・佐々木朗希投手(3年)らとともに、高校日本代表1次候補37人に選ばれながら、春季大会は地区予選敗退。最後の夏に、初の甲子園切符をつかみ取る覚悟だ。
◇ ◇ ◇
キャッチボールをする西岡の姿を見て、「誰かに似ている」と感じた。ひじが驚くほど柔らかく、球が極端に遅れて出てくる。「(マリナーズ)菊池さん、(DeNA)今永さん、杉内さん(現巨人投手コーチ)の動画を見ています」と聞き納得がいった。特に杉内コーチの「脱力の0から球を離す瞬間に100の力を出す」を意識。昨秋の県大会では4戦連続完投で初優勝。最速は140キロだが、他校のコーチから「145ぐらい?」と聞かれたほど、体感速度は速い。
4月の高校日本代表1次候補に選ばれ3日間の合宿に参加。状況設定の紅白戦では、東邦(愛知)石川昂弥投手(3年)のバットをへし折っての併殺、過去に本塁打を浴びた八戸学院光星(青森)武岡龍世内野手(3年)は3バント失敗の三振、智弁和歌山・東妻純平捕手(3年)には四球を出したが、確かな手応えをつかんだ。部屋では大船渡・佐々木、星稜(石川)奥川恭伸投手(3年)と野球談議。「野球への意識はもちろん、変化球の握りとか聞きました。まだ内緒ですけどね」と笑った。同じ左腕の高松商(香川)香川拓摩(3年)、近江(滋賀)林優樹(3年)からも刺激を受け、「自分はまだまだ上に行けると思った」。秋田経法大付(現明桜)時代に8度甲子園に導いた鈴木寿宝(ひとし)監督(55)は「高いレベルの選手とやって、足りない部分がわかったと思う」と成長を期待した。
向上心のかたまりで、全く物おじしない。1年夏に金足農・吉田輝星(18=現日本ハム)の投球を間近で見て「球が違う」と興奮。自らお願いして、3時間の走り込みやウエートトレーニングなどの練習方法を聞き出した。そして「強気で向かっていかないとダメ。エースが弱気になったら相手にすぐ分かってしまう」とエース道も授かった。
昨秋は東北大会準々決勝で古川(宮城)に1-3で惜敗。同点の8回に走塁妨害などで2点を失い、甲子園を逃した。春は守備の乱れで初戦敗退。「エラーが出ても自分が抑えれば勝てる」と自覚はさらに高まった。日本代表メンバーと甲子園で再会するまでは負けられない。「行きたいじゃなく、絶対に行かなきゃいけない。日本一が目標なので、県は圧倒したい」。大黒柱が最後の夏に全国区にのし上がる。【野上伸悟】
◆西岡海斗(にしおか・かいと)2001年(平13)10月30日生まれ、秋田市出身。大住小5年から野球を始め、城南中では秋田シニア所属。親交のある社会人野球TDK(秋田)の左腕・佐藤開陸(18=能代松陽)から愛用のグラブを譲り受けた。2年春から背番号1。172センチ、72キロ。血液型B。目標はプロ。

