春季県大会8強の社が、初戦を突破した。

最速148キロ右腕の藤本竜輝投手(3年)は、5回1死二塁のピンチで登板した。守備のミスで失点を許すも、直球とキレのある変化球を駆使し、気合の入った投球を見せた。

春の県大会はケガで1試合も登板できず。久しぶりの公式戦に「緊張していたが、いいピッチングができた」と納得の表情。5回に同点に追いつかれてから、気持ちが入り自然とガッツポーズが出た。「2年前1回戦負けをした試合が頭に残っていて、抑えたときはガッツポーズが出てしまった」と振り返った。

社OBには昨年ドラフト1位の阪神・近本光司外野手(24)や楽天・辰己涼介外野手(22)がいる。12日はプロ野球のオールスター第1戦が開催され、近本が代走で盗塁。藤本はその姿をみた。「すごいなと思った。自分がマウンドに立ってたら、とりあえず最初にけん制を入れます」とプロで偉大な先輩との対戦を夢見た。昨年12月、辰己が練習に訪れた際には「プロで待ってるから」と声を掛けられた。

「目標は日本一。先輩たちを超えます」と期待の右腕は「公立の星」として、偉大な先輩たちも成し得なかった夏の甲子園初出場を、日本一を目指す。【南谷竜則】