先輩から後輩へ。神港橘が見事な継投策でシード校を撃破した。

神港橘は同点で迎えた4回、5番・前田真之介内野手(2年)の内野ゴロの間に勝ち越し。5回には、5者連続安打が生まれるなど4得点。関西学院を突き放した。投げては先発の勝稜汰郎投手(3年)が5回途中を4安打1失点。その後、金丸夢斗投手(2年)が4回2/3を1人も走者を許さない投球でチームを勝利に導いた。

先発した勝は「今日は全体的に力が入ってしまった。チームが勝てたことがうれしい」と興奮を隠せなかった。春の大会以降に行われた練習試合では、9回を投げきるも9失点で敗戦。この日に懸ける気持ちは、人一倍強かった。途中で後輩にマウンド譲るときも「自分はいけるところまで全力でいこうと決めていた。後ろにも頼れる投手がいる」と納得してマウンドを降りた。

後を受けた金丸は「ここまで、勝さんが頑張ってくれた。しっかりと抑えようと思ってマウンドに上がった」とパーフェクトで抑える投球をみせた。

この継投に安田涼監督(43)は「(関西学院は)よく練習試合をする相手なので手の内を知り合っている。継投は予定通り。よく抑えてくれた」と両者をたたえた。

市立神港との合同チームから独立して2回目の夏。安田監督は「昨年は1勝だった。今年は飛躍の年にしたい」と語る。勝は「これからも勝ってブロックを抜けて、次のトーナメント抽選を三木(和之)主将(3年=捕手)に引かせてあげられるように頑張りたい」と決意を新たにした。飛躍の年になるか。神港橘の戦いは続く。【松本直也】