西尾東(愛知)のプロ注目右腕、山田絋太郎投手(3年)がスーパー救援でリベンジを果たした。

昨秋の県3位決定戦で20-23で敗れた中部大春日丘戦。1-2の3回から登板し、気迫満点の10回無失点。自己最速を1キロ更新する145キロもたたき出した。

何度もガッツポーズを繰り出した。全力で腕を振った。因縁の再戦が決まると、山田は昨秋の県選抜でともにオーストラリア遠征した相手エース泉虎之介(3年)と「楽しみだな」と連絡し合った。

両腕の意地がぶつかる。今夏の県大会初のタイブレークに入った13回に3得点。その裏、山田は10個目の「0」で締めた。「本当に楽しかったです」。130球を投げ、端正な顔をほころばせた。

極度の不振だった。6月のローカル大会では初回7失点。「ストライクが入らず心が折れそうだった」。背番号1をつける橋本龍輝投手(3年)から「待ってるぞ。夏は2人で投げよう」と励まされ奮い立った。寺沢康明監督(44)からOBの元中日岩瀬仁紀氏の当時の努力家ぶりを日々聞かされており、ハートもたくましい。西三河の怪腕が戦国愛知の主役になるかもしれない。【柏原誠】