日米13球団27人のスカウト関係者の視線をくぎ付けにした。大船渡(岩手)の佐々木朗希投手(3年)が、6回参考ながら無安打無得点投球で一戸を破り、16強入りを決めた。初戦の遠野緑峰戦からギアを1段上げ、最速は155キロ。相手打線から13個の三振を奪った。異例の地方大会視察となったソフトバンク三笠杉彦取締役GM(45)ら、球団幹部の姿も増えてきた“ロウキ劇場”。8強入りをかけた20日の4回戦では、盛岡四と対戦する。

【巨人】5月、6月にスカウト会議を行い、1位候補には大船渡・佐々木、星稜・奥川、明大・森下ら約10人をリストアップした。(視察2人柏田スカウトら)

【中日】佐々木と星稜・奥川を1位候補にしてきたが、奥川が1歩リードか。東邦・石川にも熱視線(視察2人中田アマスカウトディレクターら)

【阪神】高校生では佐々木ら「高校四天王」を含む十数人が上位候補。大学・社会人では明大・森下らが上位候補に挙がる。(視察2人葛西スカウトら)

【広島】1位候補。白武スカウト部長は「大谷(エンゼルス)と比較しても遜色ない。投手としてなら佐々木の方が上」と高評価。(視察1人近藤スカウト)

【ヤクルト】6月に行われたスカウト会議で263人をリストアップ。上位指名候補として絞った12人の中に、佐々木が入っている。(視察1人斉藤スカウト)

【ソフトバンク】三笠GMが岩手大会を初視察するほど、佐々木に熱を入れている。毎年一番の素材を指名する方針に変わりはない。(視察4人三笠取締役GMら)

【西武】渡辺GMと潮崎ディレクターの編成トップがそろい踏みで視察。1位指名候補の1人として高評価し、熱視線。(視察4人渡辺久GM、潮崎編成ディレクター、渡辺智編成部育成アマチュア担当チーフ補佐ら)

◆渡辺久GM 大学・社会人を入れても(力が)抜けている。1位指名? それはまだこれから。まだ秋もあるので。

【楽天】ドラフトは投手中心の指名を明言。石井GMは佐々木を「ごく限られた中の1位候補の1人。トップ5に入る」と評価。(視察2人後関スカウト部長ら)

◆後関スカウト部長 要所ではしっかり低く決まる。ちょっと力を入れたら150キロを超えてしまうのが本当にすごい。

【ロッテ】2度のスカウト会議でドラフト1位候補として8人リストアップ。投手が中心で、その中には佐々木の名も入る。(視察4人松本球団本部長兼編成部長ら)

◆松本球団本部長兼編成部長 すぐに1軍で放れる可能性がある。1位指名? 間違いなくドラフト1位で指名される。

【オリックス】1位候補。福良GM兼編成部長は「コントロールも変化球も良かった。(将来は)楽しみです。レベル高いよ」。(視察2人中川スカウトグループ長ら)

◆中川スカウトグループ長 相変わらず素材はピカイチ

【DeNA】1位指名候補の1人。この日こそ、視察は避けたが、以前は三原代表らが練習試合をチェックするなど注目を続ける。(視察なし)

【日本ハム】6月2日に視察した吉村GMが1位指名を明言済み。実力の見定めは完了しており、現在はスカウトを派遣していない。(視察なし)

【メジャー3球団】フィリーズ大慈弥環太平洋部長、ダイヤモンドバックス林環太平洋スカウト部長、レンジャーズ渡部環太平洋地区マネジャー

◆フィリーズ大慈弥環太平洋担当部長 今すぐにでもメジャーに行ってほしい。将来はサイ・ヤング賞が取れるだけの投手。