天理が「春のリベンジ」を果たし準々決勝に駒を進めた。

初回の猛攻で試合の主導権を握った。1死満塁の場面で5番岩本泰輔外野手(3年)が中前適時打を放ち、鮮やかに先制。その後右犠飛で1点を加え、2死二、三塁としたところで7番川端考希外野手(3年)が左越えの3ランを放ち、一挙5得点。「初回に巡ってきたチャンスを何とかモノにしようと思った」。

春の奈良県予選、準々決勝で郡山に2-10の8回コールド負けを喫した。ただ当時と違うのは北野樹主将(3年)の存在だ。春は右肩痛の影響で試合を欠場したが、この夏はグラウンドに戻ってきた。この日は無安打に終わったが、一塁から率先して投手に声をかけた。「視野の広げることを心がけている」という主将。中村良二監督(51)は「北野がグラウンドに立つと他の選手たちに安心感を与える」。抜群の信頼を得る主将が、その背中でチームをけん引する。【山崎健太】