初の甲子園には届かなかった。駿河総合は、2点リードの7回裏。先発のエース渡辺光(3年)が、1死から3連打を浴びて1失点。1死一、二塁からマウンドを託された2番手・森祐二朗投手(2年)も連打で2点を失い、2回に奪った2点のリードが消えた。

望月俊治監督(53)は「改めて継投の難しさを感じた。もう1つ勝たせてやれなかったのは全て私の責任」。残り8個のアウトが遠く、聖地への道が断たれた。

プロ注目の紅林弘太郎内野手(3年)の夏も終わりを告げた。逆転を許した直後の8回表2死一塁で打席が回った。1発が出れば再逆転の場面。決勝前夜、父将弘さん(44)に「打席では迷わずに振り抜きます」とLINE(ライン)を送った主砲は、カウント3-1から外角直球を振り抜く。しかし、結果は投ゴロだった。「(チームを)引っ張らなければいけない自分が、足を引っ張ってしまった」。4打数無安打に終わった自らを責めた。

今大会は計26打数7安打、打率2割6分9厘。ノーアーチに終わった。それでも、この日はプロ6球団の関係者が視察。高評価は変わらない。進路については「社会人も踏まえて、もう1度両親、監督と話したい」とし、「(将来は)プロになって、日本を代表する選手になりたい」と顔を上げた。高校野球で残した後悔を胸に、次のステージに向かう。【前田和哉】

▽駿河総合野球部父母会長・増田貴久さん(50) 昨秋の県大会で初戦敗退し、選手たちはその悔しさをばねにやってきた。(その結果)力がつき、決勝は互角に戦った。みんながんばり、よくやってくれた。