第92回センバツ(19日開幕、甲子園)の運営委員会が4日、大阪市内で開かれ、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、春夏の甲子園大会を通じて史上初の無観客で実施する準備に入った。開催の可否は11日の臨時運営委員会で決める。

 

○…日本高野連は選抜大会が無観客で開催された場合でも、開会式、開会式リハーサル、甲子園練習、キャプテントーク、キャプテン研修会、責任教師、監督会議を実施しないとした。なお13日の抽選会は主催者による代理抽選に変更される。

 

◆過去の高校野球全国大会開催困難 夏の全国大会は2度中止になっている。1918年(大7)の第4回大会は、富山県で起きた米価高騰に伴う暴動(米騒動)が全国に広まった影響で中止。戦局が深刻化した41年は、文部省次官通達によりスポーツの全国的な催しが禁止された。開催された大会で無観客の例はない。阪神大震災(95年1月17日)で開催が危ぶまれたセンバツは、電車や路線バスでの移動、鳴り物応援の禁止など災害復興への理解を求めながら観客を入れて開催。東日本大震災(11年3月11日)直後のセンバツでは「がんばろう! 日本」をスローガンに入場行進を一部省略するなどして予定通り同23日に開幕した。地方大会では10年夏の宮崎大会が家畜の伝染病「口蹄(こうてい)疫」発生を受け、準々決勝まで一般観客の入場を制限している。

 

◆センバツの大会収支 毎日新聞社と日本高校野球連盟によると、昨年の第91回大会では入場料が3億2828万1435円、物品販売等の収入が394万7949円で、収入合計は3億3222万9384円。対して支出は大会費の1億1277万5019円が最も多く、ほかに大会準備費や出場選手費、本部運営費、各団体への助成金などを加えて合計2億4148万8313円だった。

 

◆新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府、スポーツ界の動き◆

2月19日 日本高野連が理事会を開き、小倉事務局長はセンバツを予定通り開催する考えを示した。新型コロナウイルス対策は議題に上がったが、無観客での開催などの話は出なかった。

24日 政府専門家会議が「これから1~2週間が急速な拡大か終息かの瀬戸際だ」と指摘。

25日 Jリーグが3月15日までの94試合を延期。

26日 安倍首相がスポーツイベントなどについて、今後2週間は自粛や延期、規模縮小を要請。

NPBは3月15日までのオープン戦72試合、春季教育リーグを無観客で実施すると決定。ラグビーのトップリーグは第7節(29~3月1日)と第8節(3月7~8日)の計16試合の開催延期を発表。

27日 安倍首相が臨時休校の要請を示す。

28日 文部科学省が3月2日から全国の小中高校などに一斉休校を正式要請。日本女子プロゴルフ協会が、国内ツアー開幕戦の中止を発表。

3月1日 大相撲春場所の無観客開催が決定。

3日 NPBとJリーグが第1回の対策連絡会議を開く。

4日 日本高野連が運営委員会、臨時理事会を開く。