今度こそ、立つはずだった夢の舞台へ。高崎健康福祉大高崎・桜井歩夢内野手(2年)が7回コールドの快勝に貢献。チームを秋季群馬大会の決勝に導き、関東大会出場を確定させた。

攻撃力で圧倒した。11安打と8盗塁。「打」と「足」の両輪で相手を苦しめた。青柳博文監督(48)も「今年は打撃力が持ち味。去年より良い」という。関東大会を制覇した昨年のチームを超える攻撃的打線を引っ張るのが3番を務める桜井だ。この日も4打数3安打3打点でチームをもり立てた。

桜井は甲子園に特別な思いを持っている。今年の春、1つ上の代のチームで背番号12でベンチ入りを果たした。高崎健康福祉大高崎はその時点でセンバツ出場が決まっていたため、甲子園の土を踏めるはずだった。しかしそこに訪れたコロナ禍。センバツは中止になり、独自大会は3年生主体で戦うチーム方針に。甲子園の交流試合も同様で、桜井はスタンドから見守った。「悔しかったです」。母和子さんに電話で「甲子園は遠かった…」とつぶやいた。

新チームが始動し「チームの目標は日本一になることです」と切り替えている。センバツ出場に向けて最低条件と言える関東大会出場は決めた。次こそ甲子園の舞台を。「打撃練習はたくさん積んできた。打ち勝つ野球をしたい」。強力打線の核が活躍を誓った。