第93回選抜高校野球大会(来年3月19日開幕、甲子園)の21世紀枠全国9地区候補校が11日に発表される。

兵庫県の推薦校となった東播磨は今秋の県大会に準優勝し、近畿大会初出場(初戦敗退)と躍進した。平日の練習時間は平均2時間でグラウンドはサッカー部など4つの部で併用。フリー打撃が出来るのは朝の時間帯だけ。限られた練習環境で、福村順一監督(48)の指導のもと、徹底した走塁練習で機動力野球に磨きをかけた。

過去には加古川北(兵庫)を率いて10年秋の近畿大会で阪神藤浪を擁した大阪桐蔭を2-0で撃破。当時も機動力を生かし、センバツ8強に進出。指揮官は「甲子園に出た時と似ている。走塁に関しても思い切ってやれるチーム。(上でも)戦えると思っています」と自信をのぞかせる。

7月には野球部をモチーフとし、演劇部が全国大会で最優秀賞を受賞した戯曲「アルプススタンドのはしの方」が映画化。甲子園に高校野球の応援に来た生徒たちによる物語だ。センバツ出場がかなえば、初の甲子園。OBでもある福村監督は「そうなったら面白いと思います」とまずは近畿地区推薦の吉報を待っている。【望月千草】

◆東播磨 1974年(昭49)創立の県立校。野球部も同年創部。部員36人。過去、甲子園出場はなし。演劇部や放送部などが全国大会での実績がある。主な卒業生に、タレントのスパイシー八木、「SASUKEオールスターズ」の山田勝己は野球部OB。所在地は兵庫県加古郡稲美町中一色594-2。