桜宮が驚異の粘りで最大7点のビハインドを追いついた。6回、2四球と相手の守備ミスに乗じて、一挙6点を奪い、1点差に迫った。8回、再び2点リードを許したが土壇場の9回にミラクルの猛攻だ。連打で無死二、三塁の絶好機を築き、代打岩崎颯外野手(3年)の中前への2点適時打で同点に戻した。今大会は東海大大阪仰星、興国の強豪校を撃破して準決勝までコマを進めていた。だが、延長10回に2本の適時打や押し出し四球などで5点を勝ち越され、力尽きた。

北風和樹監督(59)は「守りのミスが多すぎた。いつも中盤から勝負と言っている。そのとおりにやってくれた。負けたのは僕の責任です」と振り返った。岩崎も「緊張していましたが受け止めて、初球から打っていこうと思いました」と胸を張った。

同校はプロ野球のセ・リーグで首位を快走する阪神矢野燿大監督(52)の母校だ。阪神は貯金16で、好調を維持している。甲子園には82年センバツに出場した。夏の全国初出場に向けて意地の野球を見せつけた。