<高校野球兵庫大会:組み合わせ抽選会>◇22日◇明石市民会館

古豪神港学園(兵庫)が18年ぶりの夏の甲子園に向けて走りだす。

エース加藤大投手(3年)が春季県大会決勝で完投。29イニング連続無失点の活躍で優勝に導き、チームを引っ張ってきた。大黒柱は「終盤になっても安定した変化球を投げるようにしたい」と真剣なまなざしだ。

猛暑を想定し、夏の大会期間を投げきれるように、強化練習から走り込みを欠かさず行っている。春季近畿大会の智弁和歌山戦は2イニングに投げて無失点。救援だったのは、他の投手にも経験を積ませる意図があった。北原直也監督(41)は「底上げができている」と投手力強化に手応えだ。

主将の藤原任冶(とうや)内野手(3年)も「打線の援護が出来なかった。加藤が楽に投げきれるように、チームの助けになれるような1本を打ちたい」と話した。2週間前に行った強化練習でバットを振り込み、基礎からもう1度体にたたき込んだ。

北原監督は、95年選抜高校野球大会で8強に導いた北原光広元監督の息子だ。96年の夏の甲子園には「親子タカ」としてともに出場して、話題を集めた。指揮官は「毎年勝負ですが、今年は執念を持った子が多い。その気持ちにかけたい。やってくれる期待感はある」と今年に懸ける思いはひとしおだ。神港学園は7月15日に、10日の姫路飾西-生野の勝者との試合で初戦を迎える。同校は春5度、夏3度の甲子園出場を誇るが、夏は03年以降、縁遠い。戦いの舞台が整ったいま、古豪の反撃が始まる。