恵庭南が、今夏初めてタイブレークにもつれこんだ激闘を制した。1点リードの13回裏、無死一、二塁から始まるタイブレークで犠打を決められ、1死二、三塁と一打逆転の大ピンチ。マウンドの糸屋優斗(3年)は「気持ちで投げた」とギアを上げた。2者連続の奪三振。13回表に内野ゴロの間に奪った1点を守り抜いた。

背番号6が代役を果たした。エース小島佑介(3年)が20日の紅白戦で足首を捻挫。糸屋は「小島が出られない以上、自分がやるしかない」。3回まで毎回得点を許す苦しい展開だったが、尻上がりに調子を上げた。リードをもらった後の7回に同点に追いつかれたが「何が何でも抑えてやる」と粘りの投球。8回以降は6イニング連続で「0」を並べた。

「小島を次の試合に連れて行く」を合言葉に、194球の熱投だった。「人生で完投経験は思い出せない」という代役投手が13安打を浴びながら10三振を奪い、勝利を呼び込んだ。「小島が投げられないまま終わらなくて良かった」と、安堵(あんど)の表情を見せた。

目指すは14年以来、3度目の南北海道大会進出だ。札幌国際情報との2回戦に主戦の小島が復帰できるかは未定。糸屋は「小島が戻って来られなかったら次も行く」と力強く話していた。

▽5回2死満塁から救援し、12回まで無失点もタイブレークで力尽きた石狩南の前田竜汰投手(2年) エースの久保田さんがケガ明けなのでいつでも行ける準備はしていた。もっと体力をつけないといけないと痛感した。