札幌静修・小飼隆太捕手(3年)が、貴重な中押し本塁打で初戦突破に貢献した。

リードを2点に広げた5回裏、1死三塁から左越えの2点本塁打。公式戦初アーチに「入ると思わず、外野の頭を越えてくれと思いながら走っていた」と振り返った。

アスリートのDNAを受け継ぐ。父清統さん(57)はバドミントンの元日本代表で、小飼も幼少時はバドミントンに取り組んだ。「スナップの強さはスマッシュの動きで鍛えられたのでは」と話す。父には、かねて「考えこまないようにプレーしなさい」と、たたき込まれてきたという。

その言葉通り、1点差に迫られ、なお一打逆転のピンチを背負った8回には、マウンドの常谷拓輝(3年)に「打たれても取り返すから気負わず楽に行こう」と声を掛け鼓舞した。ピンチを乗り越える好リードをみせた。

水野楓海左翼手(1年)にも1発が出て、チームは札幌龍谷学園に逃げ切り勝ち。春全道4強に「実力以上の結果が出ただけ」とおごりはない。「親にはとても感謝しているので、何とか春以上の結果を出して甲子園に連れて行きたい」と、最後の夏に親孝行を目標に掲げていた。【小林憲治】

▽追い上げも及ばなかった札幌龍谷学園の熊谷一希主将(3年) 気持ちでは負けないようにやった。全力プレーを見せることは出来たと思う。