所沢は、逆転負けで初戦敗退となった。初回に3連打で1点を先制。2回にも2点を追加し、意地を見せた。滝沢芳広監督は「夏の大会まで、打撃に力を入れていた。初球から振ろうと言ってきて、今まではなかなかできていなかったけど、しっかり振り切ってくれた。練習の成果を出してくれました」と振り返った。

背番号3の坂本愛斗主将(3年)は、出番のないまま最後の夏を終えた。試合後、滝沢監督からは「出させてあげられなくて、ゴメン」と言葉をかけられた。「出たかったです。でも、自分のスイングができるようになったのは2日前。ずっと練習をしてきた選手に申し訳ないという気持ちもあったので…。出られたらラッキーくらいでした」と複雑な思いを吐露した。

今年4月にヘルニアを発症。しゃがむことも反ることもできず、練習は全くできなくなった。気持ちは沈んだが「チームが暗くならないように声をかけて、サポートしていこうと思った」と切り替え、裏方に徹した。春季大会もブロック予選初戦で敗退し、出場できなかった。「悔いが残る終わり方でした」。高校卒業後も、草野球などでプレーは続けていくつもりだ。「キャプテンとして経験したことを、今後にいかしていきたいです」と前を向いた。