報徳学園が、26安打25得点の猛攻撃で仁川学院に5回コールドで大勝した。

強打の要因は今春、同校のコーチに就任した元阪神の葛城育郎氏(43)だ。同校の大角健二監督(41)の立命大の3年先輩でともに汗を流した縁があり、コーチの打診を受諾した。2月に学生指導資格を回復し、4月から指導にあたっている。「高校生は素直で面白いですよ。1試合で敗退が決まる。ある種、プロより厳しいかもしれないですね」と、日焼けした肌でやりがいを語った。

試合は報徳学園の打線が爆発し、相手を寄せ付けなかった。葛城氏は「反対方向への打球が多かったのは良かった。コンパクトな打撃に努めるよう話していた」と、指導が実ったことを喜んだ。

5回、先頭で左打席から豪快に引っ張り、右翼席にソロを放った湯水海内野手(3年)は「目の使い方の指導を受けた」と、独特なアドバイスを明かした。「打席に入ると、まず外野を見て、内野を見て、投手を見る。そうすることで視野を広く、投手を遠くに余裕をもって見られる」と、プロならではの指導を受けて成長。「目標は日本一」と湯水。18年以来3年ぶりの聖地へ、まずは今夏1勝を挙げた。