今秋ドラフト候補の神戸国際大付(兵庫)の阪上翔也投手(3年)がセンバツ以来、初めて先発した。

9球団のスカウトが見つめる中、右腕は自己最速まで1キロに迫る146キロをマークし、6回1安打無失点6奪三振の好投。打撃でも3打数2安打1打点1四球と投打でアピールした。「フォアボール0で、ヒット1本。全体的に球もキレていた。満足のいくピッチングでした」と投球に手応えを見せた。

2回戦で敗退したセンバツでは右肘の不調で精彩を欠いた。練習試合では中継ぎでマウンドに上がるなど、夏に向け、慎重に調整してきた。青木尚龍監督(56)は阪上の先発起用を「(組み合わせの)頭の山になるところで投げさせようと考えていた」と説明し「もっといけると思う」と今後に期待した。阪神熊野輝光スカウトは「打者として見ていたが、ピッチングも思った以上にいい。(夏の大会で)主力になればドラフトにかかる選手」と評価した。

19年夏の兵庫大会決勝、明石商戦。3点を追う9回2死満塁で、阪上は代打で起用された。しかし、打てずに目の前で甲子園出場の夢が破れた。「2年前、期待に応えることができず、悔しい気持ちでいっぱいだった」と当時を振り返った。5回戦の相手は2年前に敗れた明石商だ。リベンジの舞台が整った。【三宅ひとみ】