堅い守備力を見せた東播磨(兵庫)が神港学園との接戦をものにした。初回1死満塁のピンチを併殺でしのぐと、その裏に2点を先制。投げては先発の鈴木悠仁投手(3年)が5安打完封し「今日は守備が良かったのでピンチでも焦らなかった」とバックに感謝した。

奪った併殺は3つ。いずれも得点圏に走者を置いた状況を内野ゴロで切り抜けた。二塁を守る原正宗主将(3年)は「冬にこれ以上ないくらいノックを受けて自信になった。エラーしても仕方がないと思えるほど練習した」と自信たっぷり。福村順一監督(49)はノックの名手でOBの学生コーチらも手伝って磨いてきたディフェンスが生きた。

今春センバツに21世紀枠で春夏通じて初出場。その後、甲子園出場校という「看板」から自分たちの野球を見失った時期があったと原主将は明かした。「センバツに出たことが勝たないといけないというプレッシャーになった」。気付いた福村監督がチームを一喝。その後は選手のみでミーティングを行い、シンプルに今大会に懸けるマインドを整えた。「突き放すだけではダメなので、個人にはこうやぞと種をまいた」と指揮官。まいた種は発芽した。大輪の花を咲かせるまで、あと3勝だ。【清水駿斗】