聖隷クリストファー(静岡2位)が、1985年(昭60)の創部以来初となる甲子園に王手をかけた。中京(岐阜1位)に4-3で逆転勝ち。1-3で迎えた9回表、2度の押し出し四球などで3点を奪って競り勝ち、ベスト4に入った。勝てば来春センバツ出場が確実となる準決勝は、6日に岡崎市民球場で開催。聖隷は至学館(愛知2位)と対戦する。
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2点を追う最終回に、ドラマが待っていた。聖隷は、1死から山崎壮太(1年)が左翼フェンス直撃の二塁打。1死二塁とし、大石太一(2年)が代走に送られた。けん制悪送球で三塁に進む。続く小出晴希(2年)の投ゴロで三本間に挟まれたが、投手と交錯。走塁妨害となり、ホームに生還した。
転がり込んだ“まさか”の1点。だが、これで流れが変わった。さらに1死満塁と好機を広げ、塚原流星(2年)が四球を選んで同点。2死とされるも、河合陸(2年)も四球を選んだ。ついに、勝ち越しに成功。最後は塚原が9回裏を3人で締め、試合が終わった。上村敏正監督(64)は、開口一番「こんな奇跡も起きるんだな」。浜松商と掛川西の指揮官として、計8度の甲子園出場を誇る名将も驚きを隠せなかった。
この日、エース弓達(ゆだて)寛之(2年)が右ひじを痛めて欠場。正捕手・河合も大会前の骨折で途中出場が限界だった。飛車角抜きの窮地-。それでも、公式戦初登板となった塚原が7回5安打2失点の好救援を見せるなど、チームで穴を埋めた。塚原は「『自分たちがやらなきゃ』という思いだった。全員で粘って粘って、逆転できて良かった」と声を弾ませた。
6日に迎える至学館との準決勝に勝てば、初の甲子園が当確になる。山崎が「個々の力では劣るけど、束になれることがチームの強み」と言えば、塚原も「次も全員で粘って粘って勝ちたい」と続けた。あと1勝。全員で必ずもぎ取る。【前田和哉】

