イチロー先生が甲子園未出場校を熱血指導した。マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(48)が3日、千葉明徳を訪れた。昨年、全国で最初に学校を代表して理事長からメッセージが届き、訪問を決意。夏の県大会でベスト8の壁を打ち破れない現状打破を託されたイチロー氏は2日からの2日間の日程で、選手だけでなく指導者にも熱心に助言を送った。

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イチロー先生の情熱は、選手だけでなく指導者へも注がれた。まずは千葉明徳の岡野監督らへ「(練習は)メリハリが大事」と助言した。質の高い練習にするために、各メニューの合間にありがちな「ダラダラいくのが怖い」と話し、「体力を残そうとする。本能的に。リセットして、もう1回ガーンと。質が上がる」とポイントを説明した。

試合中の采配についても具体的なアドバイスを送った。選手へ二盗のポイントを指導中に、盗塁の偽装スタートについて「ここは指示する側の話」と区切って、言葉を続けた。「(盗塁が)来るだろうなと思われる選手じゃないと効果がない。ここ、という時の一発。9イニングを通して忙しい雰囲気は出してほしくない。落ち着いた空気の中で何か起きるという雰囲気をつくらないと。特に強いチームとプレーする時は。上を目指すために頭に入れて」と熱弁を振るった。

昨年、同校の理事長から届いたメッセージには「チームとして夏の大会ベスト8の壁を越えたい」とあった。1年前に智弁和歌山を指導後、最初に届いた“熱意”に、イチロー氏は今冬の訪問を真っ先に決めていた。選手にも指導者にも、夏の県ベスト8越え、そして甲子園へとつながる助言を惜しみなく行った。

練習中は必死にメモを取っていた岡野監督は「感謝の気持ちしかない。どうやったらベスト8の壁を越えられるのか、本気でアドバイス頂けた。目指しているのは甲子園で優勝。達成できるようにしっかりやっていかないと」と話した。

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◆千葉明徳 1925年千葉淑徳高等女学校として創立した私立校。47年に現校名に変更。74年から男女共学となる。野球部は今夏の千葉県大会で3年連続で8強入り。準々決勝では甲子園に出場した専大松戸に延長11回1-2で惜敗した。15年には秋季千葉県大会で準優勝し、関東大会に出場。今秋の千葉県大会は1回戦で敗退した。主なOBはオリックスK-鈴木(鈴木康平)。所在地は千葉市中央区南生実町1412。

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