大阪桐蔭が3年連続13度目の出場を決めた。昨秋近畿大会と明治神宮大会初制覇の立役者となったスーパー1年生左腕、前田悠伍を擁し、3度目の甲子園春夏連覇を狙う。甲子園56勝の西谷浩一監督(52)をして「末恐ろしい」と警戒感を抱かせる花巻東・佐々木麟に対して、前田は「絶対に負けたくない」とライバル心むき出しにした。

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この道は、いつか来た道だ。岩手から現れた大会の主役、花巻東・佐々木麟。それに立ち向かうのが、優勝候補筆頭の大阪桐蔭だ。

「もし甲子園で対戦するのであれば、絶対に負けたくない。(同世代で)意識するところはあります」

5日の始動時、同学年の前田は燃えさかる闘志をそう言葉にした。145キロ左腕が思いを現実にする舞台がいよいよ近づいてきた。

「1年生でいいって言ってても、1年生なんだろうなとどこかで思ってましたけど、すごいなと思います。体が大きいのもありますけど、柔らかさもまた勝負強さもね、上級生でもすごいなと思うのが、まだ1年生なのかと。末恐ろしい選手になるんじゃないかな」

多くの逸材を育てた西谷監督も、警戒感を強める。だが大阪桐蔭には、怪物退治の戦歴がある。

10年前の第84回大会。開幕前から大会の主役を張ったのは、佐々木麟の先輩、大谷翔平(エンゼルス)だった。投打のスーパー選手を、大阪桐蔭は開幕日の初戦で撃破。藤浪晋太郎(阪神)-森友哉(西武)のバッテリーらスター軍団が総力で圧倒した。その一戦から学校初の春夏連覇は始まった。3月4日、運命の巡り合わせで対戦が決まれば、2012年を再現する。

目指すものはいくつもある。97~98年横浜(神奈川)以来の明治神宮大会、春夏甲子園、国体の4冠制覇。春王者なら、西谷監督は春単独最多優勝監督に。「束になって泥臭く戦えるのがぼくらの強み」と星子天真主将(2年)。松尾汐恩(しおん)捕手ら今秋ドラフト候補も控える。春の主役も紫紺の大旗も、大阪桐蔭は譲らない。【堀まどか】

 

▽西武中村(大阪桐蔭OB)「後輩たちにはこの大きな舞台で、素晴らしいパフォーマンスを出してくれることを心から期待しています」

▽西武森(大阪桐蔭OB)「夏に向けても大事な大会になると思うので、自分らしく悔いのない試合をしてほしいと思います」

▽中日平田(大阪桐蔭OB)「甲子園という大舞台でも自分たちの力を最大限発揮できるように頑張ってください」

▽中日根尾(大阪桐蔭OB)「神宮大会も優勝しているので、春の甲子園も夏の甲子園も優勝できるように頑張ってください」