全国制覇へのビジョンを明確に描く。4年ぶり2度目の出場を決めた昨秋の関東大会王者・明秀学園日立。ケニー石川外野手(2年)は「真の日本一を目指します」と胸を張った。

【センバツ出場校発表 ライブ速報】はこちら>>

20年春、金沢成奉監督(55)はケニー、武田一渓内野手(2年)らを前に「君たちは12年、田村(ロッテ)、北條(阪神)がいた光星学院(現八戸学院光星)以上のレベルだ」と話した。当時、総監督として3季連続準優勝を果たしたチームに重ね合わせ育成した。

ケニーは「北條に似ている」という金沢監督の言葉に心が震えた。北條の甲子園での動画を繰り返し視聴。「割れをしっかり作って打っていた」動作をまねてバットを振り強いスイングを身につけた。「北條さんは超えたい存在。まずは追いつけるように。そして上回る結果を残したい」と覚悟を決めた。

努力型のケニーに比べ「武田は天才型で田村(ロッテ)に似ている」と金沢監督は話す。球種、コースに逆らわず、センターから逆方向へ長打を打つ、天性の打撃センスで高校通算20本。武田は「田村選手は高校時代、通算35本。大会でも勝負強かったと聞いて尊敬してる。自分も超えたい」と気持ちを高ぶらせた。

金沢監督の描いた通り、2人は北條・田村をほうふつとさせる強打者に成長。3番ケニー、4番武田と並んで打席に立ち、秋は2人で練習試合も合わせ13本の本塁打をたたき出し、チームを勝利に導いた。

12年夏、準決勝の東海大甲府戦では田村、北條のアベックホームランで決勝進出を果たした。ケニー、武田は「2人でアベックホームランを打ちたい」と口をそろえる。全国制覇へ。2人はその頂をしっかり見つめている。