青藍泰斗が3位決定戦で延長の末に9-4で栃木工に勝利し、関東大会の最後の1枠に入った。4年ぶり11回目の出場で、昨年4月から母校で指揮をとる元阪神の石川俊介監督(36)は、初めての関東の舞台となる。決勝は作新学院が5-2で佐野日大に勝ち、4年ぶり17度目の優勝。群馬大会では準決勝が行われ、春季関東大会(5月21~24、28、29日、栃木)に出場する17校が出そろった。

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就任から1年。関東大会出場を決めた石川監督は「導いたのではなく、選手たちに連れて行ってもらったんです。彼らには『本当にありがとう』と伝えたいです」と気持ちを込めた。

4-4の11回の攻撃、選手を頼もしく感じた。先頭の新井悠太外野手(3年)の飛球を相手遊撃手が捕球できず、二塁打となった。選手たちの発する言葉に驚いた。「『ここだよ、ここから付け込むんだ』と言っていたんです。この一打が試合を大きく分けることを分かっていたんです。すごいなと」。言動通り、一気に流れに乗ると5点を勝ち越し、試合を決めた。

先発、4番手で登板した背番号10の黒内佑大投手(3年)が、計9回2/3を4安打13奪三振1失点。起用したのはプロ時代の学びがあった。「タイガース時代ですよね。ブルペンからベース上に放れてる選手は(良い)。黒内は練習からそれが出来ていたんです」

試合中、ナインに声をかけることは少なかった。理由は1つ。「信頼しているから」だ。そのナインととも関東大会に挑戦できる。石川監督の表情は、希望にあふれていた。【阿部泰斉】

◆石川俊介(いしかわ・しゅんすけ)1985年(昭60)8月12日、栃木県生まれ。葛生(現青藍泰斗)高、上武大を経て07年大学・社会人ドラフト3巡目指名で阪神入団。現役時代は投手で14試合に登板し、2勝1敗。12年限りで現役引退。21年4月に監督就任。