城南静岡が再びミラクルを起こした。チーム内で新型コロナウイルスがまん延し、部員17人が離脱する中、登録メンバー11人で戦い、8-0で袋井商に8回コールド勝ち。創部15年目で初のベスト16進出を果たした。

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コロナ禍に揺れる城南静岡の団結力は、本物だった。この日は12人で戦った2回戦(3○2伊東商)から、さらに1人が離脱。11人で戦った。その窮地を、先発右腕の山田幸輝(3年)が救った。最速135キロの直球を軸に攻め、「内角と外角をうまく投げ分けられた」。2回戦は濃厚接触者扱いで欠場。約1週間の隔離期間を経て戻ってきたエースが、試合をつくった。8安打を浴びながらも無失点でしのぎ、「11人だけど、全員の力で勝てたと思う」と胸を張った。

打線では、主将の戸塚涼太外野手(3年)が5打数5安打2打点。公式戦自己最多安打の活躍で、無念の欠場となっている部員を勇気づけた。試合前には、全部員がつながっているLINE(ライン)で互いにエールを送り合っているという。「信じているぞ」「戻ってくるまで負けないから」。“見えない敵”との闘いは、見えない仲間の存在が力になっている。

逆境に屈せず、同校初の16強入り。次戦は今春センバツ出場の日大三島と対する。計5度の甲子園出場経験を持つ船川誠監督(72)は「隙を見つけて1、2点取れれば、野球は分からないから」と言った。チーム共通の思いは、部員全員で戦うこと。一丸となった城南静岡が、難敵にも恐れず立ち向かっていく。【神谷亮磨】