第104回全国高校野球選手権大会(6日開幕=甲子園)に佐賀県代表で出場する有田工が、チーム内に複数の新型コロナウイルス感染者が出ていることが1日、分かった。この日の午後、佐賀県高校野球連盟が佐賀市内で緊急会見を開き、発表した。今後、3日に行われる抽選会や大会への参加については「日本高校野球連盟の指示を仰ぎます」とした。

県高野連によると、有田工は7月29日の朝にPCR検査を受け、7月31日に複数の感染者が確認された。濃厚接触者は特定できていない。現在、有田工ナインは全員が自宅待機している。本来なら8月2日に甲子園に向けて関西入りする予定だったが「療養期間を終えた者、終了するまでは宿舎に入らないようにと日本高野連の方から連絡を受けています。3日の抽選会も含めて、今は連絡待ちです」とした。

チームは1日に再度PCR検査を受検した。2日にも結果が出る予定で、濃厚接触者の特定も急いでいる。その診断結果で、2日に日本高野連が有田工への措置を判断するという。「明日(2日)に会議が開かれると思います。それで最終判断をするということは聞いてます」。

昨夏は、宮崎商や東北学院(宮城)が、部員のコロナ感染を理由に出場を辞退した。今春のセンバツでは、京都国際が辞退。同様に、有田工が辞退する可能性については「有田工業が辞意を示しているわけではない。出場に向けて動いており、全力で取り組んでいます。とにかく日本高野連の指示を仰ぐ」と話した。仮に出場辞退となった場合には、「大会前の要項決定運営委員会で、補欠校は立てないというのが確認されている」とし、代替出場校は立てずに、佐賀県代表校は不戦敗になる。

今春のセンバツにも出場した有田工は、7月25日の決勝で神埼清明に逆転勝ち。春夏連続で、夏は9年ぶり2度目の甲子園出場を決めていた。

◆有田工 前身は「勉脩学舎」で陶磁器産業技術者を養成。1900年(明33)に佐賀県立工業学校有田分校として創立。48年から現校名。電気科、デザイン科、セラミック科、機械科がある。生徒数は495人(女子141人)。野球部の創部は創立年で、部員39人。甲子園は22年春に1度で夏は2度目。主な卒業生は日本ハム古川侑利、俳優の白竜ら。佐賀県西松浦郡有田町桑古場乙2902。山崎哲也校長。

 

◆代表校のコロナ感染による大会参加可否 大会前の運営委員会では、代表校から感染者ならびに感染の疑われる者が判明した場合、緊急対策本部で協議のうえ、対応を決定するとしている。対策本部がチーム内での集団感染と判断した場合、感染の陽性時期を確認。試合日程の変更で対応できる場合は、当該試合の日程を変更することもある。その場合、同一回戦の中での日程変更が原則。日程変更でも対応できず、チームとして大会出場ができなくなった場合には、代表校の差し替えなどはしない。