第104回全国高校野球選手権大会(甲子園)の準々決勝が18日、行われる。仙台育英(宮城)は、準優勝した15年以来7年ぶりの準決勝進出を目指し、愛工大名電(愛知)と第1試合で激突。聖光学院(福島)は初の4強入りをかけ、九州学院(熊本)と第4試合で対戦。東北勢アベック4強となれば、13年の花巻東(岩手)、日大山形以来9年ぶりの快挙だ。聖光学院・赤堀颯主将(3年)は、休養日の17日に「執念」を勝負のカギに挙げた。

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聖光学院が「甲子園4強の壁」を突破する。春夏通じて最高成績は8強(今大会含め夏5度、春1度)。1回戦で日大三(西東京)、2回戦で横浜(神奈川)、3回戦で敦賀気比(福井)と甲子園優勝経験校に3連勝し、勢いは増すばかりだ。16年以来6年ぶりの準々決勝に向けて赤堀主将は「試合が始まれば負けたくないという執念とプライドだけが勝敗に直結すると思います」。技術ではなく、気持ちで九州学院を圧倒する。

1、2回戦は接戦を制してきたが、3回戦の敦賀気比戦は8-1で完勝した。打線は5回までに10安打を放ち、計14安打と爆発。投げては佐山未来投手(3年)、小林剛介投手(3年)の左右2枚看板が継投で最少失点に封じた。赤堀主将は「とにかく負けなくて良かったというのが今の思いです」。横山博英部長(52)が試合後のナインについて「恐ろしいほどしらっとしていて、ホテルに帰るバスはまるで敗者のようでした」と明かすほど、8強入りは日本一への通過点でしかなかった。

一瞬一瞬に執念を示し、泥臭く白球を追う聖光野球を貫く。甲子園で3勝し、気づいたことがある。「とにかく自分たち次第で、相手に力を出させないことも、相手の力を引き出してしまうことも分かりました」と赤堀主将。「次戦も相手と戦うのではなく、自分自身と戦った先にどうなるのか」と、個々がベストパフォーマンスを発揮した上で勝利をつかむ。

「山登りで考えれば、まだまだ登り始めたばかり。足元を見て、とにかく一瞬一瞬負けない、ひたすら戦うというスタイルを変えないことが大事。自分たちの野球を裏切らず、最後まで負けないように戦います」

1人1人が自分自身に勝つ-。それが勝利への近道だ。【山田愛斗】