花巻東の2年生スラッガー佐々木麟太郎内野手が、秋の初戦で2打数1安打2打点と躍動。チームも6回コールドで勝利した。

新チームの主将として迎える公式戦初戦。5点リードの3回2死二塁、1ボールから高めの直球を右前へ運び打点を挙げた。「少し当たりは良くなかったけど、長打が求められる中で、今日はつないで得点することができました」と、初戦の勝利に安心した表情を見せた。

主将の姿をプレーで示した。この右前適時打の際には、右翼の守備がもたつく間に、すかさず二塁を陥れた。「チームに攻めることを忘れてほしくない。覚悟は決めていたので」と、誰もが期待する本塁打だけでなく、プレーに対する姿勢で、チームを引っ張った。

苦しい新チームスタートだった。夏の県大会準決勝で走者と交錯し、左手人さし指を骨折。7月28日に手術を受け、2週間はバットを振れずリハビリが続いた。それでも5日前に復帰すると、前日28日の練習試合での1本を含め、9本塁打。西武中村剛也の大阪桐蔭時代に並ぶ、通算83本塁打になっていることも明らかになった。「指の痛みもあり、かばいながら打って崩れたこともあったんですが。何とか振れるので、調子を上げていくことに集中しました」と、順調なケガの回復をアピールした。

今夏、甲子園では仙台育英(宮城)が全国制覇を果たし、大旗が「白河の関越え」を果たしたばかり。同じ目標を掲げ、戦ってきた東北の選手として、悔しい思いは人一倍。佐々木麟は「仙台育英さんが東北の門を開けてくださった。そこに負けたくない、という思いはある。ここからやるべきことをやって、勝ち上がっていきたい」と、力を込めた。【保坂淑子】